「おい、九澄。僕のところに来い」

魔法授業の代わり。こうして此処に通うようになって、もう何日目だろうか。
ブラックプレートの試験をなんとかクリアした後、音弥が、通うように言ってから、この日々は始まった。
毎回、咄嗟の判断力のテストだか知らないが、いきなり攻撃されたり、どう対処するか尋ねられる。
今の自分の持ちうる手段で、どうするか。エムゼロが使えない状態であったら?ルーシーや柊父の助けがない場合、など。何パターンものシュミレートは続く。
正直、体が持たない。手段が封じられてしまっていたら、自分に出来るのは体力勝負だけ。そうなるともう、生傷どころの騒ぎじゃない。
そうして、戦々恐々、今日も地獄のような時間を過ごすと、終わり間近に音弥に呼ばれた。
すごく偉そうに言うのに、見た目が少年だからなのか、それとも裸だからなのかはわからないが、あまり威厳と言うものが感じられない。怒らすと怖いので、絶対に口にはしないが。

「お前は、暴力的な危険には敏感だが、普段は鈍すぎるほど鈍いな」

「?よく、意味がわかんねぇんだけど…」

首を傾げた九澄に、音弥は近かった距離を更に縮める。
ふと、九澄の瞳を見つめたかと思えば、その煌めく宝石が視界いっぱいになった。

「っ!」

「…ふ、まったく、こんなに無防備で出歩いていたのか?貴様は。僕が、特別に虫除けをしといてやろうか」

「〜〜〜っ」

そう言って、九澄の首筋に噛みついて、くすり、と笑った。






(おとなのよゆう?それとも、しっと?答えは虹のなか!)

前校長と九澄はいいコンビだと思います
九ルシの次に大好き!



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