真夜中、この家の主人である毛利小五郎が眠りに就いて大分経った頃、コナンは自身の布団の上に重みを感じて目を開けた。
すると、目の前に広がるのは、夜の闇の中、月の光を浴びて幻想的に光り輝く見事な金色。

「ベルモ…ッ!」

思わず出かけた叫びは彼女の手が口を塞いだことによって殺された。
音にならない驚愕と、疑問が頭の中を駆け巡る。
彼女はそんな俺の様子を面白そうに眺め、真っ紅な唇をチャシャ猫のように歪めて言った。

「驚いたかしら?この前、ジンを誤魔化してあげた報酬を貰いに来たの」

彼女はクスクスと笑い、その様子からは裏世界で暗躍する犯罪者の顔は伺えない。まるで、恋の甘酸っぱさとずる賢さと汚さを知ったばかりの生娘のようだ。
じっと見ていると、気が付いたのか、ベルモットは視線を合わせてくる。段々と縮まるその距離に、何をするでもなく、ただただ彼女を見つめた。
息が肌に掛かるほど近くなった時、背後の窓から見えていた月の光は消え、辺りは暗闇一色で、まるで世界が閉ざされたようだと、コナンは思った。
目蓋を伏せ、呼吸を共有したら、僅かな間、その世界に存在できるような気がして。
コナンは、寸前に留まっている唇に、乱暴に噛み付いた。





( close of me!



久々の名探偵小話
べるこです(マ、マイナー…/でも、大好きです愛してる!)
ルーズリーフに書き殴ってありました
…多分、一年くらい前のヤツです
恥ですが、とりあえず上げれるものが何もないので晒してみます(羞恥ぷれい!)
べるこやべる新が、もっともっと増えれば良いと思います!

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