「まったく!アシュレイってば、何を考えているんですか!?」

珍しく、怒気を含ませながらティーカップにお茶を注ぐユウリは、クローゼットに寄りかかりながらにやにやと笑うアシュレイに目を向けた。
だが、件の魔術師はユウリがいくら睨みつけても、笑みを深めるばかりだ。

「何を考えているかだって?そりゃあお前のことに決まってるだろう、ユウリ」

顎をとられて、魔性の瞳で覗かれる。ぞくり、とユウリの背筋を何かが走り去っていった。
ユウリは、必死アシュレイの手から逃れようともがくが、力の差は歴然。のれんに腕押し状態だ。
躍起になるユウリに、アシュレイは悪い悪いと、微塵も思っても無い謝罪を口にする。

(―まったく、この人は本当にしょうがない)

ユウリは心の中で溜息をついた。無駄な抵抗を諦めて、背後から抱きしめるアシュレイの腕に、そっと手を重ねてみる。すると、アシュレイユウリの耳朶に触れながら、囁いた。

「まあ、そう怒るな、ユウリ。今度の連休は俺の家で過ごさせてやるよ」
「・・・シモンと出掛けるんです。アシュレイの家には、行かない」
「ほぉー、この俺様よりもあの清廉潔白なお貴族様をとるって言うのか?ユウリ」

ユウリの反論に、アシュレイは目の前の幼さを残す少年に首にかかっている鍵をいじりながら、妖艶に笑う。すると、ユウリはカァッと紅くなり、今時生娘でもとらないぞそんな態度とアシュレイに思わず言わせるほど初々しい反応を返しながら、「アシュレイはずるい」と呟いた。
何がずるい、と問い返せば潤んだ瞳で、「僕が、アシュレイとシモンを秤にかけることなんか出来ないって知ってるくせに」だって?お前、それは反則だろう。
アシュレイは、両手を挙げて、降参だ!と叫びながらユウリのベッドに仰向けに倒れこんだのだった。



(そう、とろけそうなくらい、ぼくはきみに夢中なのさ!)

リクエスト小説:アシュユウでほのぼの話・・・ということですが
・・・・・ほのぼのになってるか、非常に不安・・・・・
なんで、ユウリが起こってるのかは・・・多分アシュレイがオスカー辺りになんか言ったのが原因と思われ
色々勝手に動かれるので、どうしても英国は長い話になるのですが、これは珍しく短く収まりました!
こんなので本当にすいません;
リクエスト、ありがとうございましたー!

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