「なあ、火黒・・・いい加減離れろっての!」

トイレの前で、俺は今まで背中に引っ付いていた火黒を両手の筋力をフルに活用して薙ぎ払った。
そう、あろうことか火黒は、俺が台所でケーキの城作成の偉大な野望を実行中である時から、ずーっと俺の背中に引っ付いていたのだ!
信じられん、今俺が自分で言っていたことだとしても信じられんっていうか信じたくなかったっていうか。
とにかく、今まで我慢できてはいたが、もう俺の忍耐力のタンクは燃料切れ間近だったのだ。よくここまで耐えたと自分を褒めてやりたい。
そんなわけで、トイレの中まで付いてこようとする火黒を引き剥がしたはいいが、火黒のちょっと寂しそうな顔を見て俺は身の危険を感じた。


なんていうか、俺は火黒に弱い、と思う。
何故だか理由はわからないが、俺はめっぽう火黒に甘く、要求をしぶしぶながらも受け入れてしまうのだ。
少し、後悔なんていうのもするが、でも火黒の笑顔とか見ると、まあいっかと思ってしまう辺り、俺は相当末期なのだと思う。
だってさ、火黒は妖怪とはいえ男だ。なのに、俺は、その男にキスとか、あまつさえ人前じゃ言えない様な事をされても、結局なし崩しに受け入れてしまうという、まったく厄介な病に掛かってしまったのである。
キスした後、少し不安と幸せを織り交ぜたような、火黒の瞳の色が俺は好きで、火黒はそんな俺が大好きなのだからしょうがない。
この病とは、長い付き合いになりそうだ。







(甘い疼きは、いつだってロマンス!)

拍手においてた火良ss
本当は、このまま火黒の我侭が炸裂するはずだったんですが、ただの良が火黒好きすぎる話になってしまった・・・orz
(我侭っていうのは、トイレの中までついてこようとしたりね!笑)

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