「おい、こんな所で何してんだ」

不機嫌そうに、頭上から零れ落ちたのは、九澄が、最も苦手とする人物の声音だった。
昼休み、優しいまどろみの中、相棒のルーシーと裏庭の森で仲良く日向ぼっこをしていた九澄は思わず飛び上がる。
咄嗟にルーシーが見られないよう、顔の横にで寝ていた可愛らしいマンドレイクを背に隠した。危ない、どうやら幸いなことにまだルーシーは見られてなかったようだ。九澄は日頃、姉の奇襲によって気配に敏感となっている我が身に感謝したした(当然、感謝するのは自分の危機察知能力に、であって、決してその原因たる姉に、ではない)

「よう、伊勢兄。あんたも、昼寝でもしにきたのか?」

努めて、平静な声を出すように心がけて、件の人物に声をかける。背筋に垂れる冷や汗に気付かれないように、九澄はことさら笑顔で上を向いた。
伊勢兄と呼ばれた青年は、眉根を寄せながら、上級生に平気でタメ口を使う無自覚トラブルメーカーを見て、重い溜息を吐いたのだった。

「・・・・てめーは昼寝してたのかよ」

呆れ顔で言う伊勢に、九澄はどこかばつが悪そうに目を逸らしながら、言い訳じみた答えを零す。

「あー、まあ・・・だってさ、こんないい天気だし。それにせっかくだから、光合成したいって、ルーシーが・・・」
「ルーシー?」
「あ!い、今の無しっ!!!」

聞き慣れない、恐らく人物名だと思われる単語を耳にして、一気に機嫌が急降下する大人気ない上級生に、慌てて九澄は両手をぶんぶんと振り回しながら否定を重ねる。
そのあまりの必死さに、思わず伊勢兄の口元に笑みが零れてしまったのに気付いた九澄の顔が赤くなるまで、あと5秒。








(きみといっしょなら、ほら!もっともっとぽっかぽか)


リクエストの兄九ほのぼのでした・・・遅い上に短くてすみませんorz
も、最近あんまり兄九の絡みがないのでどうしていいかわからないままです^▽^
本当は、色々やりたい話しがあるのですが、中々実現できず・・・

リクエストありがとうございました!


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