「なぁ、獄寺」 昼休み、獄寺隼人は並盛中の屋上で一人煙草を吹かしていた、筈だった。 なのに、今、何故か隣には能天気に空を仰ぎながら良い天気だと笑う級友、山本武がいる。 フェンスに身体を預け、煙草なんか吸ってると健康に悪りぃぞ、と奴が笑うたびに獄寺は何故か無性に腹が立った。 (とっとと、どこか別のところにでもいけばいい、のに) そうだ。 自分のところでなくとも、こいつには居場所なんか腐るほどあるではないか。 10代目の隣(右側は自分の居場所だから、左側だろうか)や野球部のエースの座にクラスの中心。 あいつの笑える場所は、俺の傍でなくとも数え切れないほどあるのに。 「・・・なんで、お前ここにいんだよ」 「ん?だってほら、獄寺はさ、ここにしかいないじゃん」 だから、自分もここにいるのだと笑う山本を見て、勘弁してくれ。と獄寺は思った。 |
あぁ、本当に性質が悪い 昼休み、屋上にて |