これは一体全体どうしたことでしょう、と新八は思った。
認めたくない、というか認識してしまえばそれが本当に現実であると証明してしまうようで、恐ろしいのだ。
ああ、だれか助けて欲しいという願いとともに新八は、やっぱり留守を預けるんじゃなかったと深く溜息を吐いた




識Childhood friends.



今日は火曜日、近くのスーパーの特売日だ。
午前10時、新八は神楽を伴って、万事屋の主に留守を任し、奥様方の戦場へと赴いた。
数々の戦利品を片手に、職場へ帰還したのは昼を当に過ぎた時間。
そろそろ夕飯の用意をしないとと考える新八は、どこからどうみても主夫そのものだった(本人は言われると激しく否定するが)
ただいまー、と神楽とともに扉を開けると、以外にも中が静か過ぎるのに気が付く。

(あれ?銀さん、まだ寝てるのかな・・・まったく、だらしないんだから)

しょうがないなぁ、と一息ついて、新八は荷物を漁って本日の戦利品の一つである酢昆布を頬張っている神楽に、この家の主を起こしてくるよう命じた。
寝ていると思われるこの家の主―坂田銀時は、年齢不詳のぐーたらでどうしようもない糖尿病患者である。
普段はダメ人間街道まっしぐらな彼は、だが、どうしてか目を惹きつけてやまない。
それは、あの人が自分の信念を決して曲げないからなんだろうな、と新八はひき肉を冷蔵庫に入れながら思った。
初めて出逢ったとき、変な奴だと思った。そして、強いとも。やる気がなさそうに見えて、実は心の中に重たいものを背負っているのだと気が付いたのは、しばらくしてからだった。
まあ、それと同じくらいどうしようもない人ではあるのだが。でも、新八はそんな所もひっくるめて、銀時が好きだったし、尊敬もしてる。

「きっと、神楽ちゃんも同じなんだろうな」

「なにが同じだって?」

ふふっと笑いながら、大根を握り締めていたとき、背後から聞きなれない声が降ってきた。
え?と思って振り返ると、そこにはありえない人物。新八は思わずフリーズした。

「まあ、いいけどな・・・なあ、酒ないか?酒」

そう言って台所の棚を男が開けた。隻眼に派手な着物を着崩しているそいつは、固まってる新八を見事にスルーしながら尚も物色を続ける。
真昼間から酒ですか、と新八は呆れながら、そんな呆れてる場合じゃないだろ!と己を叱咤した。

「あ、あの、」

「お!あるじゃねーか、酒。おーい銀時ー、見つけたぜー!」

「ですから、ちょっと・・・」

新八が声をかけようとしても、男はまったく気付かずに、リビングの方へと酒瓶を振り回しながら消えていってしまった。
・・・・何この非常識すぎる人、と新八が思ってしまったってしょうがないと思う、多分。

(っていうか、銀さんはなにやってるのさ!)

だんだんだんだん、むかむかしてくる。
自分が留守の間に指名手配犯を簡単に家に招き入れるだなんて!しかも礼儀も何もなってないじゃないかと、新八は憤りながらリビングへ続く暖簾を潜り抜けた。

「銀さんっ!?一体何がどうなってるのかしっかりきっぱり説明してくださ・・・っ!」

怒号とともに足を踏み入れれば、そこにはソファでくつろぎながら、昼間からビールやら日本酒やら焼酎やら片手にUNOで真剣勝負中な3人の、まるでだめなおやじ共の姿があった。

「・・・・あーっ!てめ、銀時ィ!!!俺にばっかスキップ使いやがってっ」

「毎回毎回、馬鹿みたいに顔に出る晋助くんが悪いんです〜、っと杉をスキップしたからー・・・次はヅラか」

「ヅラじゃない、桂だ・・・あ、じゃあドロー2×2枚で」

そうい言って桂は、ぺぺいっと色違いの2枚のカードを出した。続いて銀時も同じカードを2枚出す。

「俺も2枚・・・さてさて、晋助くんはどぉ〜するのかなぁ?」

「くくくっ、てめぇら散々馬鹿にしやがって・・・覚悟しろよ!?脅威のドロー2×4枚!これは防げねぇだろ!!!」

ババン!と机に重なるカードの山に叩き付けたのは、ドロー2のカード4枚。もう、カードは出し切ってるから、同じカードでは防げない。
桂と銀時は、うわっ!と顔を顰めながら高杉の出した4枚のカードを見る。
その2人の様子を見て、これで俺の勝ちだ!と片足を机に乗せながら高笑いをするが、次の瞬間。

「・・・ドロー4だ、色は黄色忍者のカレーの黄色!」

今まで俯いていた桂は、それまでの様子とは一変。
笑いながら、華麗にカードを顔の前に差し出し、札の積もった山の頂上へと投げ捨てた。
その動作に青ざめる高杉。ヅラの奴、やるな!と拍手を送る銀時。言葉が出ない新八に、窓の外を眺めながら世界は平和アルと呟く神楽。異様な光景だ。

「・・・まあ、ヅラが防げても銀時は流石に防げないだろ!?」

くそうっ!と机を拳で叩いていた高杉だが、急に顔を上げたかと思うと、銀時を指差して高らかに言った。
そんな高杉に、銀時はにんまりと笑って・・・

「・・・・・・ったく、だからお前はいつまでたってもチビのまんまなんだよ杉!渾身のドロー4!!!あ、色はりんご飴のレッドでよろしく」

「ああああああああああああああああまたかよこんちくしょーーー!!!!!」




「・・・・・・・・・・・・」

新八は、あまりの光景に言葉が出ない。
頭を両手で抱えながら叫び崩れる攘夷志士中最悪の男。そんな姿を酒の肴に、爆笑している幼馴染2人。・・・なんだ、この異空間は。
正気に戻った新八の怒りの鉄拳が3人に落ちるまで、あと少し。



リクエストで、万事屋+高杉&桂と言う事ですが・・・・あれ?すいませんいつの間にか馬鹿な話になってました・・・あれれ?
違う方向性の話を期待してたらすいません私、攘夷組出すとこんなかんじになってしまうんですすいません
杉はゲームに弱いといいです、特にカードゲーム
何で弱いかというと、すぐに顔に出ちゃうからです
それでいつも攘夷組でゲームをすると負けちゃってからかわれるんだけど
でも、勝つまでやろうとするから他の3人は、うげ〜またかよと嘆くといいです
仲のいい攘夷組と、そんな4人に振り回されてブチ切れる新八と傍観し続ける神楽の関係が好きです

・・・・・・・・・・・・今度、余裕があったら、なんか真面目なの書きますすいませんでしったあああああ!!!!!!!!!!

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